ギターを弾き始めて数年経つと、誰もが一度は自問するでしょう。
「自分は今、中級者? それともまだ初心者?」
一般的なウェブ記事やギタリストのコミュニティでは、中級者や上級者の定義は主に技術的な段階で語られることが多いです。
例えば、どんなコードも素早く押さえられ、テンポをキープしながら曲を最後まで弾けるようになったら中級者。
高度なプレイ、例えば速いスケールや複雑なソロを自然にこなせたら上級者、というのが定番の目安です。
しかし、これだけでは不十分。
ギターの本質は「音を鳴らす」ことではなく、「自分の想いを音で表現する」ことにあります。
本記事では、そんな一般論を踏まえつつ、30年ギター弾いてきた経験から中級者・上級者を再定義します。
鍵は「やりたい音楽を自由に表現し、壁にぶつかっても自分で乗り越えられる力」。
これこそが、初級者を脱したギタリストの境地です。
ギター歴より音楽を表現できることが初級者卒業のライン

結論からいうと、
『その曲もう一回弾いて』『もう一回聴きたい』
といわれる演奏ができるようになれば初級者を卒業です。
指導を受けていてこのような指摘を受けたことがあります。
『君のクレシェンドは音が大きくなっているだけで、何も訴えかけるものが込められていない』
この意味の理解を演奏に活かせるまで、何年もかかってしまいました。
それは、完璧に弾けるようになることに固執し過ぎたためです。
この指摘を理解するのは、実際に人に演奏を聴いてもらったときの感想からでした。
アルハンブラの思い出を音の粒をそろえて楽譜通りに弾いたときの感想より、曲を楽しむように華やかな空気感を表現するように弾いたときの方が、聴いてくれる人が喜んでくれることがとても多かったのです。
このときもう一つの教訓を思い出しました。
『楽譜通り完璧に弾きたいなら、楽譜のソフトに音符や音楽記号を入れて演奏させてみなさい。君の求めている完璧はそれだよ。』
ギタープレイヤーとして音楽を表現するようになると、『自分が弾いて楽しければいい』という内向的な状態でい続けることはできません。
なぜなら、音楽を表現できているか判断するのは、聴いている人が感動するかどうかだからです。
初級者卒業のに必要なのは人前で演奏すること、これが最も重要な経験となります。

一般的な技術的目安:中級者・上級者の「スタートライン」

まず、ウェブ上のギター講座やフォーラムを参考に、一般的な技術レベルを振り返ってみましょう。
初心者を脱して中級者へ進むためのチェックポイントは、意外と具体的です。
- 中級者の特徴:基本コード(オープンコードやバレーコード)をスムーズに切り替え、簡単なソロやリフをテンポよく弾ける。新しい曲を1週間以内で覚え、ミスなく演奏できる余裕が出てくる頃です。例えば、Jimi Hendrixの「Hey Joe」のようなクラシックロックの定番曲を、原曲に近い形で再現できたら、中級者の仲間入り。Redditのギターコミュニティでは、「何曲か最後まで弾けるようになり、新しい曲を比較的早く覚えられる」状態を中級者と位置づけています。
- 上級者の特徴:ここからはテクニックの幅が広がります。速弾き(Alternate Picking)やタッピング、ベンディングを自在に使いこなし、ジャンルを超えたプレイが可能に。YouTubeのギターレッスン動画では、「人から『演奏して!』と頼まれるレベル」になると上級者扱いされることが多く、例えばSteve Vaiのような高度なフレーズを自分のアレンジで弾けるようになるのが目安です。
これらの基準は、ギター歴や練習量で測れるものではなく、実際に「弾けるかどうか」で決まる点が実践的。多くの記事で指摘されるように、初心者は「イッパイイッパイ」で客観視が難しいのに対し、中級者は演奏に余裕が生まれ、上級者はそれを「武器」に変えるようになります。 しかし、ここで立ち止まると、ただの「上手い人」で終わってしまいます。次に、本当に重要な「表現力」のレイヤーを掘り下げてみましょう。

独特の視点:表現力がすべてを決める「真の中級・上級者」

技術は手段であって目的ではありません。あなたがロック、ブルース、クラシック、どんなジャンルでも「やりたい音楽」を心から表現できなければ、それはまだ初級者の域を出ません。
逆に、シンプルなコード進行のバラードでさえ、感情を込めて聴き手を揺さぶれるなら、中級者以上の証です。
この視点は、あまり強調されませんが、ギターの醍醐味を捉えています。
想像してみてください。
中級者のあなたが、Bob Dylanの「Blowin’ in the Wind」を弾くとき。
ただコードをなぞるのではなく、指のニュアンスで風のささやきを、ピッキングの強弱で孤独を表現する。
できない部分が出てきたら? 「このベンディングが弱いな」と自分で分析し、翌日には動画を撮って修正。
こうした「自己診断と改善」のサイクルが回り始めたら、上級者の入り口です。
クラシックギターでは、中級者は「演奏が楽しくなり、曲のバリエーションが増え、爪の使い方すら研究する」ようになるとあり、これを表現力に置き換えれば、まさに「自分の音楽を磨く」プロセスです。
技術的に難易度の高い曲(例: Van Halenの「Eruption」)を弾けても、そこで「自分らしさ」が欠けていれば、ただの音並べをしているに過ぎません。
逆に、初級レベルのフォークソングで聴衆を涙させたら、それは上級者の輝きです。
ギター歴10年以上のベテラン講師が語るように、レベル分けの罠は「曲の難易度」に囚われること。
真の成長は、表現の自由度で測るべきです。
自己改善の力:壁を越えるためのマインドセット

中級・上級者のもう一つの特徴は、「問題解決力」です。
ウェブ記事ではあまり触れられませんが、これはギターの旅の核心。
ピッキングが安定しない? メトロノームアプリで分解練習。コードチェンジが遅い? スローテンポから徐々に上げて記録する。
こうした習慣が身につくと、どんな壁も「チャンス」に変わります。
実践例として、初心者は「演奏に没頭しすぎて客観視できない」状態から、中級者は「余裕を持って自分の音を振り返る」ようになります。
上級者はさらに一歩進み、録音やライブでフィードバックを活かし、独自のスタイルを築きます。
あなたも今日から試してみて。
1曲を選んで、「これで私の想いは伝わるか?」と自問自答するだけです。
結び:表現の旅は終わらない
ギターの中級者・上級者は、技術の積み重ねではなく、「やりたい音楽を表現し、自分で進化する人」です。
一般的な定義が「何が弾けるか」を問うのに対し、ここでは「何を伝えられるか」が鍵。
ウェブの無数の記事が示すように、誰もがこの道を歩めます。
あなたは今、どのステージにいますか?
ギターを手に取り、音で語り始めてください。きっと、そこに上級者の扉が開きます。


